
思考と哲学
自己肯定感と自己効力感は違う|私が言葉に違和感を持った理由
投稿 2026.10.02 06:39
自己肯定感という言葉に、私はずっと違和感がありました。
この言葉は、人によって捉え方がかなり違います。
前に進む力のことだと思っている方もいれば、自分を許す力だと思っている方もいます。
同じ言葉で違うものを指しているので、話がずっと噛み合いません。
今回は、私がこの言葉をどう分けて考えているのかという話です。
久田晃壁を越えさせてくれるのは、自己肯定感ではありません
先に私の結論を書きます。
目の前の壁を越えさせてくれるのは、自己肯定感ではなく自己効力感のほうです。
自己肯定感は、ありのままの自分でいいと思える力です。
失敗しても、うまくいかなくても、自分は自分だと受け入れられること。
自己効力感は、自分ならこの課題をクリアできるだろうと心底思えることです。
この2つは、まったく別のものだと私は考えています。
それなのに、どちらも自己肯定感という一つの言葉で語られてしまう。
だから、みんながぼんやりしたまま迷うのだと思います。
今のあなたに足りないのは、自分を許す力と、やれると思える力の、どちらのほうでしょうか?
自己肯定感がある人イコール自信がある人、ではありません
私が違和感を持ったのは、ここです。
ガンガン前に突き進む人を見て、あの人は自己肯定感が高い、と言う場面がありますよね。
一般的には、そのほうが分かりやすいのだと思います。
ただ、自己肯定感というのは、自信がない人にも成り立つものです。
ありのままの自分でいい、と思えていればいいからです。
では、その人がこれから来る困難を全部クリアできるのか。
そこは別の話になります。
受け入れる力と、乗り越える力は、そもそも役割が違うんですよね。
自分へのイメージは、大きく3つに分かれます
私は、自分に対するイメージを3つに分けて考えています。
この3つを分けた瞬間に、自分の状態がかなり見えるようになりました。
順番に書いていきます。
1自己否定
ありのままの自分はダメだ、何をやってもダメだ、と自分を全部否定してしまう状態です。
一番しんどい状態ですし、多くの人が一度は通る場所でもあります。
私自身、20代はモテませんでしたし、自信のない人間でした。
なので、ここは本当によく分かります。
2自己肯定感
自分はありのままでいい、と思える力です。
結果が出ようが出まいが、自分は自分だと置いておける状態ですね。
これがあると、失敗したあとに立ち上がる速さが変わります。
3自己効力感
自分ならやれる、もっと上に行ける、と思える感覚です。
目の前の壁に対して、自分は越えられるだろうと心底から思えること。
人生を動かすうえで一番大事なのは、私はここだと思っています。
自己否定が多少あっても、自己効力感がある人は前に進めます。
- ● 自己否定は、自分を全部ダメだと決める状態
- ● 自己肯定感は、結果に関係なく自分を置いておける状態
- ● 自己効力感は、この壁は越えられると思える状態
受け入れる力と、乗り越える力の違い
言葉で並べると近く見えるので、表にしてみます。
私が普段どう使い分けているかを、そのまま出しました。
どちらが上ということではありません。
| 比べる点 | 自己肯定感 | 自己効力感 |
|---|---|---|
| 向く方向 | 今の自分 | 目の前の課題 |
| 中身 | ありのままの受容 | やれるという確信 |
| 効く場面 | 失敗した直後 | 挑戦の入り口 |
| 欠けた時 | 立ち直りの遅さ | 最初の一歩の停止 |
| 増やし方 | 過去の自分の承認 | 小さな達成の積み上げ |
私の割合は、自己否定1か2、自己肯定感3か4、自己効力感が半分
この3つは、どれか1つに決まるものではありません。
全員の中に3つとも入っていて、その割合が違うだけだと思っています。
自己否定がある人に自己効力感がないかというと、そんなことはありません。
私の今の割合を出すと、自己否定が1か2、自己肯定感が3か4、自己効力感が半分くらいです。
否定が完全にゼロになったわけではありません。
ただ、20代の私の割合は、これとはまるで違いました。
自己効力感が一番低かったのは、20代です。
面接の日、新しい職場に入った初日、人と初めて話す時。
その全部で、自信がない感じが先に出ていました。
何をするにも、俺じゃ無理だろうな、という言葉が最初に浮かぶんです。
やる前から、頭の中でその一言が鳴っている状態でした。
当時は理学療法士として病院で働いていて、年収は300万に届くか届かないかでした。
真面目に働いていたのに、何も変わらない感覚だけが残っていました。
今振り返ると、あの頃に足りなかったのは自分を許す力ではありません。
自分ならやれる、という感覚のほうでした。
久田晃それでも、自己肯定感がないと続きません
ここまで書くと、自己効力感だけあればいいように読めるかもしれません。
ただ、私はそうは思っていません。
自己肯定感がないまま走ると、失敗した日に止まってしまうからです。
うまくいかなかった時に、自分を受け入れられないと前に進めません。
最悪の場合、自分を殺してしまうことにもなります。
やれると思って挑み、ダメだった日に自分を置いておく。
この2つが揃って、はじめて続くのだと思っています。
- ・挑む前に要るのは、自己効力感
- ・失敗した日に要るのは、自己肯定感
- ・自分の今の割合を、数字で一度出してみる
よくある質問
Q. 自己効力感は、どうやったら増えますか
A. 基本は、小さくても自分でやり切ったことを積み上げるのが一番だと思います。
越えられる高さの壁を越えた記憶が、次の確信になるからです。
ただ、ここは臨機応変でいいと思います。
先に環境を変えて、やれる人の近くに座るほうが早い方もいます。
Q. 自己肯定感が低いままでも、結果は出せますか
A. 出せると思います。
実際、自己否定を抱えたまま結果を出している方はたくさんいます。
ただ、続けられるかは別の話になります。
長くやるつもりなら、どこかで受け入れる側の力も要ると考えておくといいと思います。
Q. 自分の割合は、どう数えればいいですか
A. 厳密でなくて構いません。
合計10として、3つにざっくり振り分けてみるくらいで十分です。
数字はノルマではなく、今の自分を見る目安です。
半年後にもう一度やると、どこが動いたのかが見えます。
まとめ
今回は、自己肯定感という言葉への違和感について話しました。
受け入れる力が自己肯定感、乗り越える力が自己効力感です。
この2つを分けるだけで、自分に何が足りないのかが見えてきます。
私が事業を通してやりたいのは、なりたい自分になれる社会をつくることです。
なりたい自分になるには、今の自分を受け入れる工程が先に来ます。
そのうえで、やれると思える感覚を少しずつ足していく。
順番が逆になると、どちらも苦しくなると思っています。
20代の私は、自分を責める材料だけを持っていました。
あなたも一度、今の自分の割合を数字にしてみてはいかがでしょうか?
久田晃受け入れる力と、越える力は別のものです。
今の割合を数えてみる
