
思考と哲学
市場の嗅覚があると言っていただけた理由|才能ではなく「なぜ」を考えた量でした
投稿 2026.11.04 05:48
ありがたいことに、市場の嗅覚がある、と何度か言っていただいたことがあります。
自分ではそこまでのものだとは思っていないのですが、何が求められているのかが見えている、という意味で言ってくださったのだと思います。
なぜそう言っていただけたのかを、自分なりに考えてみました。
考えてみてたどり着いたのは、才能という言葉とは少し違う答えでした。
同じ経験をしても、そこから何かが見えるようになる人と、そうでない人がいます。
その違いがどこから来るのかを、私自身の経験で振り返ってみたいと思います。
今回は、市場の嗅覚の正体は才能ではなく、「なぜ」を考えた量だったという話です。
久田晃市場の嗅覚は、才能ではなく処理の蓄積だと思います
理学療法士、トレーナー、営業と人に向き合う仕事を続けてきた私の答えは、嗅覚は才能ではなく処理の蓄積だということです。
考えた最後に、私はこう結論を出しました。
才能ではなく、処理の蓄積だった。
考え続けたことが積み重なって、人間への解像度として染み込んでいる。
だから、何が求められているかが見える、ということなんです。
解像度というのは、人の気持ちや欲しいものが、ぼんやりではなく細かく見えるかどうか、という意味で使っています。
同じ広告を見ても、同じ相談を聞いても、見えているものの細かさは人によって違います。
その差は、センスの一言で片づけられがちです。
でも中身をほどいてみると、考えた量の差なのではないかと私は思っています。
市場という言葉は大きく聞こえますが、その中身は一人ひとりの人です。
一人の欲しいものが細かく見えれば、同じものを欲しがっている大勢の姿も見えてきます。
市場を読む力は、人を読む力の延長にあるんですよね。
同じ経験をしても、流した人には何も残らない
なぜそう言っていただけたのか、自分なりに振り返ると、思い当たる節は2つありました。
1つは、幼い頃から相手の状態をよく見ていたことです。
もう1つは、自分自身が強い渇望や欲求不満を、何度も経験してきたことです。
ただ、同じような経験をした人が、全員そうなるわけではありません。
違いは、その経験を流したかどうかだと思います。
つらい経験も、満たされない経験も、時間がたてば忘れられます。
忘れたほうが楽な場面も、きっとたくさんあるはずです。
でも流してしまうと、その経験からは何も残りません。
私はどちらの経験も、ずっと「なぜ?」で考え続けてきました。
しかも、かなりの量をです。
一度考えて終わりではなく、似た場面に出会うたびに、また同じ問いに戻ってきました。
経験の数そのものではなく、経験を「なぜ」で処理した量が、見える世界の細かさを決めるのだと思います。
経験を流すか、「なぜ」で掘るか。
差がつくのは、経験の量ではなく処理の量です。
渇望を「なぜ」で掘った、私の20代と2年間
渇望という言葉で私がまず思い出すのは、20代の頃の自分です。
あの頃の欲求不満を流さなかったことが、今の仕事の土台になっています。
1好かれたいのに好かれない、と感じていた20代
私は幼い頃から自分に自信が持てず、20代になっても「自分は人に好かれない」という感覚を抱えていました。
モテたいのに、モテない。
満足できる人生とは言えない日々が、本当に長く続きました。
仕事は、理学療法士を3年、パーソナルトレーナーを6年、営業を2年と渡り歩いています。
どれも、目の前の相手が何を求めているかを考えずには続けられない仕事だと思います。
2恋愛以外のすべてを捨てた2年間
そのあと私は、営業で身につけたことを恋愛に使うと決めたんです。
そして2年間、恋愛以外のすべてを捨てて、徹底的に挑戦を続けました。
なぜ自分は好かれないのか、相手は本当は何を求めているのか。
うまくいったことも、うまくいかなかったことも、流さずに考え続けた2年間だったと思います。
その結果、かつて憧れていたモテる世界を、自分の手でつかむことができました。
今、恋愛で悩む方の気持ちが少しでも見えるのは、あの頃の渇望を流さなかったからだと思っています。
久田晃今日の経験を、一つだけ「なぜ」で掘ってみる
嗅覚を育てるのに、特別な経験は要らないと思います。
要るのは、すでにある経験を流さずに、一つだけ掘ってみることです。
たとえば、今日うれしかったこと、イラッとしたこと、欲しいと思ったものを一つ選びます。
そして、なぜそう感じたのかを自分に聞いてみてください。
答えが出たら、その答えにもう一度「なぜ」を重ねます。
自分の感情を細かく見られるようになると、他人の感情も少しずつ細かく見えてくるのではないでしょうか?
自分の中にある渇望は、同じものを抱えている誰かの渇望と、きっとつながっているからです。
1日に一つで十分です。
処理の量は、続けた日数でしか積み上がりません。
- ・うれしかった、イラッとした、欲しいと思った出来事を一つ選ぶ
- ・なぜそう感じたのかを自分に聞く
- ・出てきた答えに、もう一度「なぜ」を重ねる
この3つを、帰り道や寝る前の数分でやってみるだけでも、経験の残り方は変わってくると思います。
書き残しておけば、あとで読み返したときに、自分が何に反応する人間なのかも見えてきます。
掘った答えがたまっていくほど、人の話を聞いたときに、その奥にあるものを想像できるようになっていくはずです。
まとめ
今回は、市場の嗅覚があると言っていただけた理由を、自分なりに振り返ってお話ししました。
嗅覚の正体は才能ではなく、経験を「なぜ」で考え続けた処理の蓄積でした。
私が事業でやりたいのは、なりたい自分になれる社会をつくることです。
なりたい自分に近づく材料は、遠くにあるのではなく、あなたがすでに通ってきた経験の中にあると思います。
流してきた経験も、今から掘り直すことはできます。
あなたも今日の出来事を一つだけ選んで、「なぜ?」と自分に聞いてみてはいかがでしょうか?
久田晃嗅覚は才能ではなく、「なぜ」を考えた量です。
経験を流さずに掘る
