
経営と事業
需要があるから売れる、は答えじゃない。違和感を言語化する大切さ
2026.07.20
先日、渋谷を歩いていたときの話です。
既婚者専用のマッチングアプリの広告が、デカデカと飾ってありました。
広告の規模を見ても、需要があり、ビジネスとして成立しているのがよくわかります。
ただ、私はその商品そのものに、強い違和感を覚えてしまったんです。
私自身、少子高齢化の本質的な改善というテーマで、恋愛・マッチングアプリの分野で事業をしています。
だからこそ、世の中の打ち出し方に疑問を持ってしまうことがあるんですよ。
今回はその違和感の正体を言語化していく話をしようと思います。
久田晃渋谷で見た既婚者マッチングアプリの広告
渋谷の街中に、既婚者専用のマッチングアプリの広告が出ていました。
かなりの大きさで、何度も目に入る場所に出稿されていました。
これだけ大きく出せるということは、実際に需要があって売れているサービスなのだと思います。
ビジネスとして成立しているのは、見ればすぐにわかりました。
ただ、私はその商品そのものに、どうしても違和感を覚えてしまうんです。
需要があるから提供する、というだけで本当にいいのだろうか。
それが、その日からずっと頭の中に残り続けていた問いでした。
需要があることと、世の中にためになることは別軸
ビジネスは、需要があるところに成立します。
これは事業を運営する上で、確かに大事な原則です。
ただ、需要があるからといって、それが本当に世の中の人々のためになるかは、また別の話なんですよ。
需要がある、と、世の中に必要とされる、はイコールではない。
この2つは似ているようで、根本的に違う軸の話だと私は思っています。
需要は、買う人がいれば成立します。
でも世の中に必要かどうかは、買う人の数では測れません。
- ● 需要がある=買いたい人がいる
- ● 必要とされる=社会全体にとって良い
- ● この2つは似ているが軸が違う
人間の欲求は、ダメだとわかっていても止められない
既婚者マッチングアプリが売れてしまう理由は、シンプルです。
それは、人間の欲求に深く関わっているからなんですよ。
タバコは、吸わない方がいいとわかっていても、つい吸ってしまいます。
お酒も、飲まない方がいいとわかっていても、ついグラスを傾けてしまう。
既婚者でありながらマッチングアプリをやるのも、倫理的にはNGとわかっていても、自分の欲求や遊び心から逃れられない。
こうした人間の弱さに、ビジネスは強く反応してしまうんです。
むしろ、人から批判されるような商品ほど、需要が大きくなりやすい一面さえあります。
久田晃「面白い」「いいね」だけでは、まだ弱い
私自身の事業の話を少しさせてください。
少子高齢化の本質的な課題に向き合う事業について、いろんな方に話す機会があります。
多くの方は「面白い」「いいね」と言ってくれるんですよ。
嬉しい反応ではあるんですが、同時に「これではまだ弱いな」と感じる一面もあります。
既婚者マッチングアプリが渋谷で大きな広告を出せていて、ビジネスとして見え方もどんどん上がっていく。
一方で、私の事業は「面白い」止まりで終わってしまう。
この対比を見るたびに、自分の打ち出し方を考え直さないといけないと思うんですよ。
「面白い」「いいね」と言われて満足していたら、本当に世の中を動かす事業にはたどり着けない。
違和感を言語化することの本当の意味
私はビジネスとして既婚者マッチングアプリが成立している、という事実は受け入れています。
でも、その打ち出し方や考え方には違和感を覚え続ける。
この違和感を、自分の中で曖昧なままにせず、言葉にしておくことが大事だと感じています。
違和感を言語化すると、自分の信念や価値観の輪郭がはっきり見えてきます。
そして、自分が事業で何を大事にしたいのかも、自然と言葉として出てくるんですよ。
今回の違和感は、まだ私の中ではっきりとした答えになっていない部分もあります。
ただ、「需要があるけれど、自分は提供したくない」という線引きは、自分の中にしっかりあると気づけました。
- ・違和感の正体を曖昧にせず言葉にする
- ・自分の信念や価値観の輪郭を確かめる
- ・需要の前に、自分は何を選ばないかを決める
まとめ
今回は需要があるから売れる、では事業の答えにならないという話をしました。
私自身、少子高齢化の本質的な課題に向き合う中で、需要だけを追いかける事業には大きな違和感を持ち続けています。
「なりたい自分になれる社会をつくる」というビジョンに沿うかどうか、それが私の判断軸です。
既婚者マッチングアプリのように、人間の欲求に強く訴えるビジネスは、確かに数字が伸びやすい構造があります。
でも、本当にその数字が、自分の信念や、世の中の長期的な利益と一致しているのかは、別で考える必要があるんですよ。
あなたも日々の生活の中で、何かしらの違和感を感じる場面があると思います。
夜中に流れてくる広告でも、誰かの行動でも、何でも構いません。
その違和感を、ぜひ自分の言葉で言語化してみてください。
そして同時に、なぜそれに需要があるのかも考えてみてほしいんですよ。
この往復を繰り返すと、自分が大事にしている価値観が、ぐっと明確になっていきます。
久田晃需要と必要は別軸。
違和感を言語化し、自分の信念を判断軸に置きます。何を選ばないかを決める